臨済宗 慈光院様 第五閻魔王像洗浄補筆

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歴史を感じながら綺麗にして欲しい

時間が経過したなりに綺麗にして欲しいとご依頼を受けました。閻魔様は団体様でいらっしゃるので一部の方が劣化が激しいとどうしてもそちらにつられて彩色を施さなければならなくなります。この閻魔王像は比較的劣化が進んでいませんでした。一番上段に安置されていたので紫外線があたりづらかったかもしれません。その割にどうして古びて見えるのかなと凝視します。閻魔王様と向き合うこと数分。どうして欲しいか訴えかけて来ないかななんて考えていると、ヒントが出てきました。閻魔王像を包んでいる龍、このお腹が白色です。隠れていますがうっすら残っているお腹に白い彩色を施していきます。すると終わりかけのところに「あ、爪だ。」。爪も白色で施し、ひげもあるね。ヒゲを書くとツノがあり真ん中に眼がありそうです。眼もこれだとわからないから少し色を入れると、まあすごい眼力。職人さんはこんあ閻魔王様を仕上げたんだね。龍を囲むように水色の雲。彩色し終わると全体が浮かび上がり立派な閻魔王様が。さすが王様。格好いいな。この対面する時間が一番好きな時間ですね。